1.診断整備を促進

輸入車のオーナーは「車は下駄がわり」「動けば良い」という人はほぼ居ない。


エンジン性能、加速、走り、乗り心地にこだわり、適切に整備してくれる工場を探し回る。


オーナーの求める整備は車輌を購入した時(新車時)の性能から部品等の劣化で「性能ダウン」したものを「もとに戻して欲しい」というニーズである。


輸入車の警告灯も新車時の性能から一定程度、ダウンしたら点灯するので、国産車と比較して頻繁に点灯する。(ドイツの車検における評価基準は当該車両の新車時の性能が基準なので車両ごとに異なる。)


JISPAは車両の整備・修理において「さしあたり運転できれば良い」のレベルではなく、電子診断のデータに基づき、車輌の環境性能・安全性能・乗り心地を自動車メーカーの工場出荷時(新車)の状態に戻す診断整備を目指す。このため会員企業は輸入車に対応するスキャンツールの保有及び高度な活用を必須条件とする


一方、車検整備においても、現在、行政指導により「警告灯が点灯している車輌は車検を受ける権利が無い」との措置が取られている。輸入車は警告灯の点灯比率が高いので①スキャンツールで診断②トラブル・シュート③修理④確認⑤警告灯を消す・・・という過程を取らないと車検を受けることができない。(この過程についてはJISPAセミナー:輸入車整備の実務にて講義中)


輸入車において車検整備は高度化したが、他工場で「入庫した時点で警告灯を消してしまった」ため故障原因が探索できなくなった車両が不具合車両としてJISPA会員工場に入庫することがあるのも事実。




2.容易に部品交換せずに修理する

顧客の求める整備の品質と価格

新車のワランティ期間(車両が故障した場合、ディーラーにてメーカー保証で修理が可能な期間)を過ぎた車輛は、徐々に独立系整備工場に入庫するようになるのは世界的な傾向である。

日本においても輸入車の保有台数の40%は独立系整備工場に入庫していると推察される。ワランティ期間を終了した後の車両には、オーナーより求められる整備の品質と価格がある。これを実現するノウハウを磨いていく。

ディーラーはメーカーの決めたマニュアル通りの整備となるので部品のアッセンブリ交換となるが、JISPAはできるだけ部品を一体交換しないで修理可能な部分(部品・機構)は可能な限り修理する。

初度登録から10年を超えた車輛は補修部品の入手も難しくなる。部品交換が必要な場合も純正新品部品という選択肢の他に、リビルト部品、中古部品、優良新品部品を使えないかを検討して、お客様に提案する。

日本国内在庫が無い部品は欧州・米国等のメーカー在庫、流通在庫まで探す。
輸入車整備に熟練したメカニックによる効率的な整備で工賃を下げる。




3.現場主義

●常に最新の情報を貪欲に収集するが、現場の情報(顧客の自動車オーナーの反応・ニーズ、メカニック、フロント、取引先関連業者からの情報)をベースに捉えなおす。


●実際に車両を修理するメカニックを大切にし、メカニック・フロント・その他スタッフ(営業など)、外注先、そして工場の経営者(オーナー)との一体化を大切にする。


●JISPAの会員は経営者オーナーネットワーク、JISPAメカニックネットワーク、JISPAフロントネットワークを構築し情報を共有化する。(入会時に登録)


●古い職人気質のメカニックは、自分が持つ整備技術・ノウハウを、他のメカニック(同じ工場であっても)には教えない。JISPAは、この「殻」を破り、先輩メカニックは後輩(自社工場、他のJISPA会員工場)のメカニックに懇切丁寧に教える土壌を作る。


●この土壌の上に、テクニカル・アドバイザー、輸入車整備セミナーの開講がある


●セミナー専門講師が実施するセミナーは受講料が高く、内容も高度な専門知識を教えるが、翌日からの仕事に直ぐ使えるものではない。JISPAのセミナーは工場現場の先輩が後輩に教えるスタイルなので、翌日から役に立ち、かつ分からないことが生じたら電話で講師(JISPAテクニカルアドバイザー)へ問い合わせれば良い。


●JISPA会員工場のメカニックの輸入車整備技術が向上する中で、さらに高みを目指して外部のセミナー専門講師に依頼して上級編のカリキュラムを構築中である。