一般社団法人日本輸入車整備推進協会が発足

一般社団法人 日本輸入車整備推進協会が発足

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輸入車の整備を手掛ける独立系整備業者を会員に、 一般社団法人日本輸入車整備推進協会(略称:輸整協、代表理事:平林潔、本部:東京品川区)が 2013年4月1日に設立された。 5月中旬に東京で説明会を開催し、6月19日創立総会を開催する。 ※英文表記 Japan Imported Car Service Promotion Association (JISPA) 同協会は2009年6月に発足した輸入車整備ネットワーク「3rd-stage(サードステージ)」を 発展的に改組したものである。

サードステージは独立系の整備事業者が輸入車整備に取り組むための組織として結成された。 このため輸入車整備に係わる資料の収集、スキャンツールに関する研究等を推進し、 情報及びノウハウの一定の蓄積が出来たため、 今後は輸入車ユーザーへの共同広報及びトレーニング&テクニカルサポートの充実を目指して 一般社団法人に改組することとした。

〇ターゲットユーザー

わが国における輸入車の保有台数は328万台。4輪車総保有台数の4・4%を占めている。 年間の輸入車登録台数は新車が32万台、中古車が51万台となっている(2012年)。

従来、輸入車の整備は輸入車ディーラーが主体であり、顧客層は富裕層が中心であったが、 最近では国産車と同じ感覚で輸入車に乗ってみたいというユーザーが増えている。

同協会の前身である「3rd-stage」の組織名の由来は 「初めて車を購入したが、あこがれの車には手が出せずに国産大衆車で我慢したのが1st-stage」 「結婚して子供ができ、決して個性的とは言えないファミリーカーを乗った時代が2nd-stage」 「子供の手も離れ、若い頃にあこがれた個性的な輸入車にちょっと乗ってみたいという時代が3rd-stage」という意味。

即ち協会がターゲットとするユーザーは、決して富裕層の輸入車ユーザーではなく、 国産車の延長線上で輸入車を乗り始めたごく一般的なユーザーである。

したがって会員工場は、決して高級感漂う「輸入車のプロショップ」を目指すのではなく、 国産車ユーザーと同じ感覚で来店戴く輸入車ユーザーを「ご満足いただける対応と技術力」でお迎えすることを目指す。

一方、中古の輸入車はディーラーよりも中古車販売店で多く販売されており、 ユーザーは購入した車輌の整備の受け皿を求めている。 同協会はこうしたニーズにも対応したいと考えている。

〇輸入車整備の現状

欧米では早くからOBDⅡ規制が導入された(米国1994年、欧州2000年)ため 自動車メーカーはスキャンツールの使用を前提に車輌を開発している。 そのため整備工場は「スキャンツールを使いこなすレベルの技術」がないと輸入車の整備は出来ない。

一方で、欧米では電子的な整備情報が開示されており、 この情報を使うことで国内でも技術力さえあれば輸入車の修理・整備が可能である。

「走り」「乗り心地」「ブレーキフィーリング」など感性的な部分に拘るユーザーが多く、 すでに欧米で定着している車輌を工場出荷時の性能に戻す「診断整備」の市場を開拓する余地がある。

国産車は次世代自動車(HV、EV)の普及、電子制御化の進展により整備の領域は減少傾向にあるが、 輸入車はまだ可能性が残されている。

〇事業概要

1.輸入車ユーザーへの告知強化

輸入車のユーザーが整備工場に整備・修理を依頼したいと思っても 「何処の工場に依頼すれば安心かつ納得できる整備を提供してくれるのか」がわからないという現状がある。 協会は、そのようなユーザーの要望に応えることができる整備事業者の全国ネットワークの構築を目指し、 輸入車ユーザーの整備の選択肢の一つとしてホームページや雑誌記事・広告等の手段を使い、積極的にユーザーに働き掛けていく。

2.輸入中古車の販売業者、修理保証会社等との連携

3.自動車整備業の新たなビジネスモデルの構築 (愛車に長く乗って頂くために新時代の診断整備を目指す)

車輌の整備・修理において「さしあたり運転できれば良い」のレベルではなく、 電子診断のデータに基づき、車輌の環境性能・安全性能・乗り心地を 自動車メーカーの工場出荷時(新車)の状態に戻す新時代の診断整備を目指す。

このため会員企業はスキャンツール(外部故障診断装置)の保有及び高度な活用を必須条件とする。 輸入車ユーザーは車輌のデザインのみならず、その走りのテイストにも拘る傾向にある。 こうしたニーズに対応し、たとえ長期に使用した車であっても新車の走りを楽しめる整備を目指す。

ユーザーに愛車を長く乗って頂くために、単に保安基準適合性を満足するだけではなく、 より安全で、快適で、環境に優しい整備を目指す。

4.輸入車整備の技術力向上

<会員工場向け教育プログラムの策定>

会員工場の現場において実効性のある教育の構築を目指す。 そのため協力会社のサポートを得て協会独自の教育プログラムを策定する。 また、会員会社の好事例見学会、 診断整備が定着している欧米の事例を勉強するため海外研修等を企画・実行する。

<会員工場向けテクニカルサポート体制の構築>

協会に収集した各種の整備情報は、 会員会社の日々に作業現場でタイムリーに使用できなければ意味がない。 そこで会員工場のメカニックの中から協会認定のテクニカル・アドバイザーを任命し、 会員からの問い合わせに対応する。

<輸入車の整備情報の収集>

サードステージは整備情報が公開されている欧米の整備情報組織に 加入する等の方法で整備情報を収集し、会員間で共有を図って来た。 この整備情報は新団体に引き継がれる。 また、全国で輸入車整備に携わっている会員の生の整備情報を収集しデーターベース化する。

会員の募集について

協会は 「一定のレベル以上のスキャンツールを保有し、活用している事業者であること」 等を条件に会員を募集する。 輸入車整備の市場規模を考慮し、全国100工場のネットワークを目指す。

一般社団法人 日本輸入車整備推進協会 本部:東京都品川区旗の台2-10-15 電話 03-6421-6081 白柳 FAX 03-6421-6084

更新:2013年04月18日