輸入車整備の技術継承
「国産車も輸入車も自動車である事には変わりない。だから同じように整備できる」。これは輸入車整備のベテランメカニックが常に語っている事ですが、そんな風に言われても、どこから触って良いのか分かりませんと若手メカニック。
「今は、どのクルマでも詳しい整備マニュアルがあるじゃないか。その通りにやれば良い」と社長は言うが、メーカーによってマニュアルの作り方が違うし、同じメーカーでも車種によって異なる。初心者にも分かるように書いてあるマニュアルもあれば、初歩は「知っていて当然」と省いて、ある程度、経験を積んだ人向けに記述してあるマニュアルもあります。
そして、どのマニュアルにも初歩の初歩の部分は書いてないのです。それは職場(整備工場内)で先輩(熟練者)のやっている動作を見て覚える世界です。
国産車の場合は多くの先輩が居るので良いのですが、輸入車の場合は、輸入車整備に精通した先輩メカニックが少なく、様々なメーカーの車両が入庫する工場でも、それぞれのブランド別に見れば入庫台数は少ないので「先輩の作業を見て覚える」と言っても、そもそもチャンスが少ないのです。
輸入車整備の技術継承は極めて難しい課題ですが、直ぐに行動しないとベテランメカニックは次々と引退してしまいます。
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今さら聞けない部分を残して置くと、段階を追って上位レベルに進ことができません。
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初心者であっても全体のイメージが把握できていればスキルアップの効率化が可能になります。それには同じように苦労した「先輩のアドバイス」が有効です。
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独立系整備工場で輸入車を整備するには1個人、1企業では限界があります。同じ目的を持つグループで組織的に取組む必要があります。
オンデマンド研修のニーズ
現在、JISPAの会員工場は入庫増(国産車及び輸入車)による多忙とメカニック不足で悩んでおり、集合研修でもWeb研修でもメカニックが「一定の時間、工場を空ける」事に対して負担が大きいのが現状です。それでも「今日は比較的に入庫が少ないので短時間なら視聴できる」という時もあり、オンデマンド(会員の要求があった時に、サービスを提供する)の動画配信ニーズは高いものがあります。
また、輸入車に対応できるメカニックを増やすためには「初級」のさらに前のレベル(初歩)のレクチャーが必要であり、オイル交換など基本的な作業も、国産車と輸入車とは異なる部分があり「これを短時間の動画で教えて欲しい」というニーズがあります。 以上の背景の中で「JISPA eラーニング :オンデマンド技術研修・フロント実務研修」を2022年2月からJISPA会員向けにスタートさせます。
JISPA 事務局が会員工場内で撮影して編集。動画配信Webシステムを利用して会員工場にお届けします。 研修内容は基礎的な内容とし、随時、追加する予定で、動画の長さは15分~20分程度にします。
会員工場の現場から、会員工場の現場にノウハウを伝える。そして様々な意見を頂き、改善につなげる。貴方もJISPAに入会して、仲間に入りませんか?
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輸入車整備の基礎的な注意点
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エンジンオイル交換
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バッテリー交換と管理
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ブレーキフルード交換
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コーデイングの実務
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エーミング作業
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輸入車整備データ(フロントでの活用)
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輸入車整備データ(メカニックの活用)
※必要に応じて随時追加する